- Q.設計はどのように進めていくのですか?
- 中途半端な打ち合わせはしません。事前に「診察室は2つ」とか「レントゲン室も必要」といった概略をうかがっていれば、初めてお会いする際に少なくとも2つのプランを、案件によっては3つのプランを持参します。1つだけだと、どうしてもイメージがそれに引っ張られますから。
ラフスケッチではなく、寸法まで示した図面をご用意するんです。すると、先生から「待合室は15人くらい入るようにしたいな」といったご要望をいただくことができて、具体的な話へ移れる。そうやってプランを絞り込んでいきます。
わたしのこだわりは「無駄のない設計」。つまり、機能的ということです。まずは医療スタッフや患者様の動線が最短になるようにする。診察室と待合室などのゾーニング(区画分け)をしっかり考える。これがちゃんとできていれば、応用はいくらでもできます。「遊び」だって可能です。
開業後のメンテナンスもご安心ください。他社の施工にも保証期間はありますが、当社の場合、それを過ぎたあとも何十年と責任をもってお付き合いさせていただきます。実際に開業して何年か経つと、どうしてもアップデートしたくなる部分が出てくるはずです。ちょっとした内装の手直しや新しい医療機器の導入に伴う改装など、さまざまなことが想定されます。クリニックというのは、開業したあとも「育てていく」ものです。つねに先生が100%満足できるクリニックであるように、また、多くの患者様から愛されるクリニックであり続けるように、ともに歩んでいきたいと考えています。
- Q.大切にしていることは何ですか?
- 先生との会話ですね。打ち合わせは「先生が本当に求めておられるもの」を引き出す場だと思っています。理解したつもりでも、もしかして間違ってはいないだろうかと、「こういうことでよろしいでしょうか」と丁寧に確かめていきます。建築現場にご案内し、細部まで納得していただけるよう、「まだ微調整できますよ」とご希望に応じることもあります。そうやって一緒につくりあげていく。建築に参加する面白さを、先生に感じていただきたいんです。
もう一つはレスポンスの良さです。ありがたいことに、よく先生にそう言っていただけます。打ち合わせを重ねるなかで新たなご要望が出てくることがありますが、そんなときも具体的な図面を描いて、すぐに回答します。
建物って、嘘をつかないんです。悪いものをつくると悲鳴をあげます。無理な設計をすると駄目なんですよ。だからルールにのっとり、うまくバランスを取ることが大事です。古代からバランスの良い建造物は長く残っていますよね。バランスの良いものを正直につくる。それが弊社の特徴です。建物に対して嘘をつかない、ということですね。それに尽きます。
スタッフ紹介STAFF
設計部長椎名 修
一級建築士
35年以上、建築・設計に携わる。設計件数は50件を超える。(実際に竣工したもの)
建築設計部主任丸山 諒太郎
二級建築士
芝浦工業大学大学院 建設工学専攻修了。大手ハウスメーカーで設計、営業を経験。
- Q.仕事はどんな点にこだわっていますか?
- わたしは椎名部長のもとで、3Dの製作などをしています。平面図だけでなく、鳥瞰図を見ていただくことで、完成時のイメージが手に取るように分かります。この3Dは、先生ご自身のパソコンで見られるようにしますので、じっくりご覧いただけます。
ですので、わたしは3Dをつくり込みます。例えば、壁と床の境目に取り付ける巾木(はばき)を描くときに、2ミリ分、立体的に見えるようにします。ふつうは色を変えるだけでもいいんですよ。でも、先生がよりリアルに感じてくださるように、との思いからです。机の図も、ただの直方体でいいんでしょうけど、ぶつかった人がけがをしないための「面取り」をして縁に丸みをもたせます。これは椎名も気づいていないかもしれません。
「神は細部に宿る」という言葉をずっと大事にしています。師匠と仰ぐ椎名がプロとしての誇りをもって仕事をしているので、わたしも自分なりのこだわりをもってやらなければ、と。一つひとつの作業に力を入れて、しっかりやっています。凝り性なので、つくり込み始めると楽しいというのもありますけど。
- Q.これまでの経歴、そしてアプトでのやりがいは?
- 大学院で建築を専攻し、リフォームの研究をしました。修士号をとり、2014年に住宅メーカーに入社。その後、生命保険会社にヘッドハンディングされて営業をやっていたのですが、「もう一度、設計したい」という気持ちになりました。そのとき一番惹かれたのが、クリニックを専門とするアプトでした。もともと人と話をするのが好きですから、以前の経験も「いま」に生きています。
社風は「みんなの距離が近い」ですね。社長も部長も、フランクに接してくれます。わたしがフランクでいられるように、ということでしょうか。ストレスって全然ありません。そういう会社の雰囲気は、先生にも伝わると思います。
完成したクリニックに先生をご案内すると、表情から喜びがひしひしと伝わってきます。そのときに「よかった!」と達成感を覚えます。わたしはまだ修行中ですが、いずれは先生に喜んでいただける設計を手掛けたいと思います。